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善意は労災に非ず

救助で死亡の会社員に労災

「業務と因果関係」と判断 労働保険審査会が逆転裁決


共同通信によると、海外出張中、川におぼれた女性を助けようとして死亡した砂加工・販売会社の会社員=当時(50)=の労災を認めなかったのは不当だとして、会社員の妻(59)=千葉県茂原市在住=が不服を申し立てた再審査請求について、労働保険審査会(東京)は 11日までに「業務と因果関係があるとみるのが相当」として、労災と認める逆転裁決を出した。
  業務との関連がはっきりしない救助行為を労災と認めたケースは極めて少なく、労災問題の専門家は「被災者を救済する
画期的な判断だ」としている。
  代理人の小川英郎弁護士や裁決書によると、会社員の男性は、千葉県内の会社で川砂の採取調査や販売などを担当しており、1997年7月、中国福建省に出張。砂の採取などのため川に入っていた際、近くで若い中国人女性二人が深みでおぼれているのを見つけ、救助しようとしたが、男性自身がおぼれて死亡。女性二人は自力で岸にたどり着き、その後、所在が分からなくなった。
  妻の申請に対し、木更津労働基準監督署(千葉)や千葉労災保険審査官は 1998年、おぼれた女性は男性の業務とは無関係で上司の業務命令もなく、救助に向かった時点で業務が中断し、私的な善意の行為に移ったとして、それぞれ請求を棄却した。
  これに対し、労働保険審査会は(1)一緒にいた社長も救助に参加 (2)発生現場が同社の子会社が借用し遊戯施設を営業している敷地内 (3)おぼれた女性が客である可能性があり事故防止の必要性があった―と指摘。救助行為は「善意や私的なものではなく、業務と密接に関係する」と判断した。






先日の新聞にも出ていたが、

業務中に救助活動をして、自身が事故死した労働者は

労災の保護を受けるか否かでモメテいた問題で、裁決が出た






過去の例で言うと

  1. 坑内で滞留ガスで倒れた人の通知を社宅で聞き救助に行って、その滞留ガスによって死亡した労働者の事故は業務外である(S31基収6806)
  2. 運送会社の車両整備員である労働者が自動車検査証の更新(車検)のために陸運支局に赴いたところ、昼休みを利用して自動車検査官がストーブの煙突の取り外し作業を行っていた。自動車検査官が作業に難渋している様子が見受けられたので、当該労働者が、木に登って自動車検査官の作業を手伝っていたところ、誤って転落し死亡した。本件は業務外の災害である(S32基収4722)

といったものがあり、

一般的には

善意で行った行為は業務に起因しない

というのが、今までの考えの根底にあった




しかし、今回の裁決では業務災害と認定され

(記事にもあるとおり)画期的な判断であったと言える






ただし、本件については

  1. 一緒にいた社長も救助に参加
  2. 発生現場が同社の子会社が借用し遊戯施設を営業している敷地内
  3. おぼれた女性が客である可能性があり事故防止の必要性があった

といった事情があったので

善意や私的なものではなく、業務に密接に関係する

という論法であり、

基本的には善意で行った行為が元で業務時間中にケガや死亡しても

労災で保護されないということには変わりはない






労災以外の保護があるのであればいいのだけれど

それもないという現状では 「見て見ぬフリ」 をしろということにもなりかねない






そういった善意の人にも、法的になんらかの保護を考える必要が

あるのではないかと思うのでした






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