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新型コロナウイルス感染症と就業禁止のまとめ【令和2年2月20日現在】

新型コロナウイルスと就業禁止に関して一部混乱が見られるようなので、令和2年2月20日現在解釈を少しまとめることにしました。

 

まず、法律上就業禁止に関して規定されているのは、労働安全衛生法(以下「安衛法」)第68条と感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(以下「感染症法」)第18条となっています。

安衛法第68条は
「事業者は、伝染性の疾病その他の疾病で、厚生労働省令で定めるものにかかつた労働者については、厚生労働省令で定めるところにより、その就業を禁止しなければならない。」
と定めていて、具体的には

  1. 病毒伝ぱのおそれのある伝染性の疾病にかかつた者
  2. 心臓、腎臓、肺等の疾病で労働のため病勢が著しく増悪するおそれのあるものにかかつた者
  3. 前各号に準ずる疾病で厚生労働大臣が定めるものにかかつた者

が対象となっています。そして、今回話題となっている新型コロナウイルス感染症についてはこれには該当せず、安衛法上は就業禁止とはなっていません。

次に感染症法第18条第2項では
「前項に規定する患者及び無症状病原体保有者(注釈:一類感染症の患者及び二類感染症、三類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の患者又は無症状病原体保有者 )は、当該者又はその保護者が同項の規定による通知を受けた場合には、感染症を公衆にまん延させるおそれがある業務として感染症ごとに厚生労働省令で定める業務に、そのおそれがなくなるまでの期間として感染症ごとに厚生労働省令で定める期間従事してはならない。」
と定められています。また同法第7条第1項では
「指定感染症については、一年以内の政令で定める期間に限り、政令で定めるところにより次条、第三章から第七章まで、第十章、第十二章及び第十三章の規定の全部又は一部を準用する。」
と定められていて、今回の新型コロナウイルス感染症はこの「指定感染症」に指定されていて、上記準用規定により就業禁止の対象となっています。
但し、感染症法に基づく就業禁止についてはすべての業務が対象となるのではなく、今回の新型コロナウイルス感染症罹患により就業禁止される業務は、
・飲食物の製造、販売、調製又は取扱いの際に飲食物に直接接触する業務
に限定されています。
つまり、それ以外の業務については就業禁止とはなりません。

また、新型コロナウイルス感染症の患者あるいは無症状病原体保有者であったとしても、いわゆる「退院基準」に該当する者については就業禁止とはなりません。
退院基準についてはこちらをご確認ください。

 

 

 

最後に、賃金等の支払についてですが、労働基準法第26条では
「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。」
と定められています。上記の感染症法による就業禁止となる労働者については「使用者の責に帰すべき事由」に依らない休業ですので、ノーワーク・ノーペイの原則通り賃金の支払義務は発生しません。但し、任意に支払うことまでは排除されていませんので、支払うことは全く以って問題ありません。
一方で、それ以外の事由による休業命令については「使用者の責に帰すべき事由」による休業ということになりますので、「平均賃金の百分の六十以上」の休業手当を支払わなければなりません。

なお、「年次有給休暇を取らせればいいのではないか」という事業主の意見もありますが、厚生労働省のQ&A(Q7)にもあります通り、そもそも年次有給休暇は原則として労働者の請求する時季に与えなければならないものなので、使用者が一方的に取得させることはできませんのでご注意ください。

 

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